昨日は、八代の山田朝日先生からのご紹介で、介護労働安定センター熊本支部で開催中の実務者研修の実技の補助講師として呼んで頂きました。
日々介護現場に身をおいていると、毎日があっという間に過ぎていきます。
研修は、そんな毎日の流れから一旦離れ、自分自身を見直すいい時間だと思います。
私の担当は、グループに分かれ、おむつ交換や、衣服の着脱介助をお互いが介護者役、被介護者役になって実際にやってみるロールプレイングの指導でした。
※画像はイメージです。
その中で、2人の受講生が印象に残りました。
1人目は落ち着いた雰囲気の女性で、講義中はしっかりと講師に目を向け、熱心にメモをとっていました。
感心したのはロールプレイングの場面です。
皆が自分のことで精一杯で、半分パニック(笑)になりながらアタフタとする中、落ち着いた態度で、淡々と、そして周りの受講生へ配慮し、うまく全体のバランスをとり、皆に安心感を与えるような存在感を発揮していました。
介護現場では、ナースコールが重なったり、同時に複数のご利用者から呼ばれたりする場面が多々あります。
そのような場面では、しっかりと優先順位を見極め、1つずつ解決していくスキルが必要となります。
この女性は、介護経験はないということでしたが、きっと現場に出ても、忙しい場面でも慌てず、チームを落ち着かせることが出来る存在になるだろうと思いました。
2人目は今時な感じの、元気のいい若い女性です。
この受講生は、とにかく言葉かけが丁寧で、ロールプレイングという恥ずかしさもある中で、自然な言葉かけが出来ていました。
実際の現場では、声のトーンの違いや、話すスピードの具合で、同じ台詞を言っていても全然違う印象を与えます。
この受講生は、ご利用者に安心感を与える話し方が自然に出来ていたように感じました。
後で話を聞いてみると、この受講生は介護経験はあるものの、このような言葉かけの重要性については、この講習で勉強したということでした。
私自身、介護現場に出てすぐの頃は、いかに早くおむつ交換を終わらせるか、決められた時間の中でどれだけ多くの入浴介助を終わらせるかという、ご利用者に有無を言わさず、とにかく早く作業を進めることがかっこいいと思っていました。
しかし、今になって思い返してみると、その時は介護の主体が、ご利用者ではなく、介護者になっていたなと反省します。
介護の仕事の真髄は、いかにご利用者に安心感と生きがいを与えられるかにかかっていると思います。
その為に必要なのは、ご利用者を中心に毎日を考える心と、その想いを実現する為に必要な知識と技術だと思います。
今回、見させて頂いた受講生の2人は、知識・技術はまだまだですが、ご利用者を中心に考える心構えは出来ているように感じました。
研修が終了すると、どちらかの介護現場で働くことになります。
うちに来てくれることを期待しながらも(笑)、どこかの現場で活躍する日が楽しみです。
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